事業の範囲と研究の実施形態

小さな機能材料やデバイスから豊かな社会を!

本事業では、研究成果が実用化に至るまでの研究開発を公益目的事業の範囲と考えており、その研究開発の過程を「研究段階」、「開発段階」および「実証段階」の3 段階に分け、それら過程の研究開発を自主研究、受託研究、共同研究および試作開発研究として実施します。

最初の「研究段階」における研究開発は、本法人の研究員が独自の発想で進める自主研究がこれに相当します。自主研究には基礎研究と応用研究があり、この自主研究が以降に続く「開発段階」の研究の基になります。

開発段階」における研究開発は、自主研究のさらなる発展、展開および推進を図るための受託研究および共同研究として進められます。ここで受託研究とは、政府省庁等の公的機関および私的機関からの競争的資金を獲得して行う研究および公的機関が計画・実施するプロジェクト等に参加して行う研究です。共同研究は、企業や公的機関からの研究協力の申し出により行う研究で、学術情報の交換および保有技術の相互利用などを目的とする研究も含まれます。

実証段階」は、応用研究の「開発段階」の後のステップとして位置づけられる研究開発の過程で、試作開発研究として実施します。試作開発研究は、研究開発成果の実用化の促進および成果の完成度の更なる向上を目的とするもので、企業や公的研究機関で本法人の事業成果としての試作品を実際に使用してもらい、その評価結果を基に、成果の有効性の検証、新規応用分野の開拓および実用上での問題点の改良を図るものです。この研究では、企業や公的研究機関からの委託により、本法人が試作品を提供します。

この試作開発研究は、本法人独自のもので、「実証段階」終了後に企業が研究開発成果の事業化を独力で進める際に経験する「死の谷」を無事に越えて、製品生産および販売に繋げる実用化段階へと進むための技術移転を容易にする上で、極めて重要であると考えています。