変遷と沿革

創立75周年

本法人は、1944年(昭和19年)10月、国および企業からの支援を受けて文部省所管の「財団法人航空計器材料試作研究所」として東北帝国大学金属材料研究所内に設置され、初代理事長に本多光太郎博士が就任し、2019年10月には創立75周年を迎えました。この間、昭和20年には名称を「財団法人電気磁気材料研究所」と改めると共に数々の特殊合金材料を発明し、各種計測機器の高性能化に多大な貢献をしてまいりました。

近年は、従来のバルク機能材料の研究に薄膜機能材料およびそれらを応用したデバイス開発を新たな研究分野として加え、平成23年には、内閣府から公益財団法人としての認定を受け「公益財団法人電磁材料研究所」と改名して再出発し、公益財団法人として社会の発展と幸福に寄与することを目的に、電気、磁気、光分野の機能材料やデバイスの研究開発に取り組んでまいりました。

また、2018年1月には仙台市太白区八木山南から宮城県富谷市成田のインダストリアルガーデンへ移転したことから、同年10月に、移転および創立75周年記念式典・祝賀会を仙台市内において開催いたしました。

2019年10月創立75周年を迎えました。

電磁材料研究所要覧(PDF)

歴代理事長

本多光太郎博士
初代
1944~1947
石原寅次郎博士
2代
1947~1950
増本量博士
3代
1950~1987
広根徳太郎博士
4代
1987~1990
神田英蔵博士
5代
1990~1993
増本剛博士
6代
1993~2009
増本健博士
7代
2009~2015
荒井賢一博士
8代
2015~2023
早稲田嘉夫博士
9代
2023~

お問い合わせ

ご不明な点やご要望は、FAQ(~について)またはお問い合わせのページをご覧ください。

変遷 / 75年の歩み

東三番丁研究所

戦時中の1944年(昭和19年)10月、国および企業からの支援を受けて文部省所管「財団法人航空計器材料試作研究所」として東北帝国大学金属材料研究所内(現東北大学金属材料研究所)に設置され、その後1945年(昭和20年)2月には仙台市東三番丁に移転しました。下図は、当時の研究所の全景を示すスケッチ図です。

この建物は、同年7月の仙台大空襲により建物と全設備を焼失しましたが、終戦後の1945年(昭和20年)12月、文部省所管財団法人として名称を「財団法人電気磁気材料研究所」と改めて再建を開始、翌年12月に完了し、新たに精密機器用材料の研究事業を再開しました。

東八番丁研究所

1958年(昭和33年)12月、仙台駅前の区画整理事業(現・青葉通り)のため、仙台駅東口近くの東八番丁に土地を購入して、東三番丁から全面移転しました。

この場所は、1976年(昭和51年)2月に仙台市八木山南(政令都市指定後は仙台市太白区八木山南)へ移転するまでの17年有余の研究拠点となりました。

八木山南研究所

1976年(昭和51年)2月、仙台市東八番丁の研究所は、仙台駅の東口から道幅50mの道路が敷地中央を貫通することになったので、仙台市太白区八木山南に土地(13,645坪)を購入し、鉄筋コンクリート七階建て(延2,406坪)の研究棟、鉄骨ブロック積平屋建て(340坪)の試作工場および付属建物五棟(102坪)を新築して、全面移転しました。

富谷研究所

仙台市太白区八木山南の研究所は、研究棟等の建物およびライフラインなどのインフラが、築40年以上を経過して老朽化し、また、2011年(平成23年)3月の東日本大震災により被害を受けたことから、富谷市成田の旧YKK金属材料研究所の跡地(土地:15,200m2)および建物(鉄筋コンクリート四階建:3,699.2m2、鉄骨平屋建:17.6m2)を購入、四階建物を全面改装して研究棟および試作開発棟とし、新たにクリーンルーム棟(延床面積644.50m2)を増築し、2018年(平成30年)1月に全面移転しました。

創立75周年

2019年10月1日に創立75周年を迎えました。
これからも公益財団法人として社会の発展と幸福に寄与することを目的に、電気、磁気、光分野の機能材料やデバイスの研究開発に取り組んでまいります。

創立80周年

物質・材料がもつ本質的な機能的物性を有効に利用する電磁に関連する新たな高機能電磁材料を自らの手で探索し、それら材料を活用する新機能や次世代に必要な高機能かつ超小型電磁デバイスを開発してその実用化を図る研究を行うとともに、その有効な応用分野の開拓を進め、実用化のための試作研究にも一層の努力を傾注したいと考えております。得られた成果は、広く一般に公開して、学術及び科学技術ならびに産業の振興を通じて、公益財団法人として次世代社 会の発展と幸福に寄与したいと考えております。

沿革

1944年(昭和19年)
10月
文部省所管財団法人航空計器材料試作研究所として東北帝国大学金属材料研究所内に設立
理事長:本多光太郎 博士(金属材料研究所 所長)
1945年(昭和20年)
2月
国および企業からの寄付により仙台市東三番丁(現仙台市青葉区五橋)に土地を購入し移転
1945年(昭和20年)
12月
財団法人電気磁気材料研究所に改名
1955年(昭和30年)
3月
恒弾性合金「エルコロイ」、高弾性合金「ダイヤフレックス」を発明
1958年(昭和33年)
7月
時計用ヒゲゼンマイ材料として恒弾性合金「コエリンバー」を開発
1958年(昭和33年)
12月
区画整理のため、仙台市東三番丁より仙台市東八番丁(現仙台市宮城野区榴岡)へ移転
1970年(昭和45年)
6月
磁気記録再生ヘッド用高透磁率合金「ハードパーム」を発明(全国発明賞)
1975年(昭和50年)
4月
吸振合金「ジェンダロイ」を発明
1976年(昭和51年)
2月
区画整理のため、仙台市東八番丁より仙台市八木山南(現仙台市太白区八木山南)に移転
1976年(昭和51年)
9月
アモルファス軟磁性合金「アモメット」を発明
1978年(昭和53年)
1月
液体急冷法として「単ロール法」を開発
1979年(昭和54年)
3月
恒電気抵抗合金「パラシル」を発明
1981年(昭和56年)
4月
永久磁石合金「プラチロン」を発明
1992年(平成4年)
10月
超微粒子膜を用いた高感度ガスセンサを開発(全国発明賞)
1994年(平成6年)
4月
クリーンルームを設置、薄膜デバイスの研究を開始
1995年(平成7年)
3月
ナノグラニュラー構造を持つ軟磁性薄膜およびTMR薄膜を発明
1995年(平成7年)
4月
法人本部・付属研究所・事務部の3部体制に改組
1995年(平成7年)
10月
高感度Cr-N薄膜ひずみセンサを発明
1997年(平成9年)
9月
TMR薄膜を用いた磁気センサ「GIGS」を発明
2000年(平成12年)
8月
薄膜触覚センサ(ロボット用など)を発明
2010年(平成22年)
4月
法人本部の下に研究開発事業部・事業支援部・事務部の3部を置く体制に改組し、研究開発事業部内に5研究グループを置く
2011年(平成23年)
3月
東日本大震災により建物が大きく被災
2011年(平成23年)
7月
公益財団法人として発足、名称を「公益財団法人電磁材料研究所」とする
2014年(平成26年)
7月
ナノグラニュラー薄膜のトンネル磁気-誘電(TMD)効果を発見(Nature Comm.に発表)
2014年(平成26年)
9月
不感磁性エリンバー・インバー鉄合金(Fe-Mn系)の発明
2016年(平成28年)
8月
高温用Cr基薄膜ひずみセンサの発明
2016年(平成28年)
9月
ナノグラニュラー透明磁性薄膜の開発
2016年(平成28年)
12月
Liイオン電池検査用二次元アレー磁気イメージ装置の開発
2017年(平成29年)
1月
東日本大震災の被災と研究棟建屋の老朽化等のため評議員会で移転を決定(理事会決定は平成28年12月)
2017年(平成29年)
3月
水素用Cr基薄膜ひずみセンサの発明
2017年(平成29年)
4月
法人本部の下に研究開発事業部、事務部の2部を置く体制に改組し、研究開発事業部内に3研究開発部門、2開発施設、および事業支援室を設置
2017年(平成29年)
6月
宮城県富谷市成田に移転先用地および建物を取得
2017年(平成29年)
11月
宮城県富谷市成田にクリーンルーム棟を増築
2018年(平成30年)
1月
宮城県富谷市成田へ移転
2018年(平成30年)
3月
巨大ファラデー効果を有するナノグラニュラー薄膜材料の開発
2018年(平成30年)
8月
鉄酸化物を用いた可視光域対応型光触媒の開発
2018年(平成30年)
10月
移転・創立75周年記念式典開催
2019年(平成31年)
3月
Cr基薄膜の等方的ひずみ感度の利用による超小型高耐荷重力センサの発明
2019年(令和元年)
10月
創立75周年
2020年(令和2年)
1月
ヒューマンバイオメカニクス用靴システムの開発
2021年(令和3年)
4月
5G移動体通信対応の高性能電磁波吸収材料の開発
2021年(令和3年)
5月
鉛フリー圧電セラミック厚膜材料を用いた高性能振動発電デバイスの開発
2022年(令和4年)
4月
研究開発事業部内に材料・デバイス開発技術相談室を設置
2023年(令和5年)
9月
試作開発作業棟増築
2024年(令和6年)
10月
創立80周年