研究論文リスト和文

2025年

反強磁性Crにおける抵抗ひずみ感度の等方性に関する検討
  • 小田洋平、直江正幸丹羽英二
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掲載日 2025年5月13日
雑誌名等 日本磁気学会論文特集号,9巻,1号,pp.12-15 (2025)
概要 反強磁性Crの整合スピン密度波状態におけるゲージ率(GF)の等方性を調べた。第一原理計算により、結晶格子の[100]方向と[110]方向に沿った一軸応力下における抵抗ひずみ感度を比較した。フェルミ準位における状態密度の計算結果から近似的に推定されたCrのGFは、1%未満の微小ひずみ領域では等方的とみなせることが分かった。これは、Crの一軸ひずみに対する磁性の等方的な応答を反映している。
ひねり加工を施したFeCoV磁性線の磁気特性
  • 重田隆明、鈴木涼平、亀嶋友也、田代晋久、脇若弘之、直江正幸
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掲載日 2025年4月14日
雑誌名等 電気学会論文誌A・pp.118-123・145巻4号(2025)
概要 磁気双安定素子への応用として必要な,ひねり加工が施されたFeCoV磁性線の磁気特性および磁歪特性の影響はいまだ判明していない。磁気特性は, 先行研究により測定が行なわれているが, 磁性体の磁化のしやすさを表す透磁率については検討されていない。つまり, ひねり加工により生じる残留応力によって, 磁化のしやすさがどのように変化するかは明らかになっていない。そこで,本稿では,最大ひずみ率特性に加えて最大透磁率の測定を行い, ひねり加工によりこれらの特性がどのように変化するのか確認を行った。
バイモルフ型振動発電を想定した負磁歪軟磁性材料の開発に関する基礎検討
  • 阿部宏恒、後藤太一、直江正幸荒井賢一、石山和志
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掲載日 2025年4月14日
雑誌名等 日本磁気学会論文特集号・pp.74-78・8巻2号(2024)
概要 我々が提案する発電デバイスは,正磁歪材料の裏面へ負磁歪材料を接合したバイモルフ型カンチレバーである.バイモルフ構造にすることでより多くの発電量が得られると考える.FeGaを代表とした正磁歪材料は逆磁歪式振動発電へ向けた開発が進められているが,負磁歪材料の応用へ向けた検討は少ない.そこで,我々は負磁歪材料の中でも-103 ppmを超える超磁歪と,比較的大きな電気機械結合係数を有するSmFeに着目している.逆磁歪式振動発電に向けた磁歪材料には,微小な応力で磁化が回転する,軟磁気特性の優れた材料が求められている.しかし,SmFeは非常に大きな結晶磁気異方性により磁化回転が困難であり,多結晶バルク体での逆磁歪式振動発電への応用は向いていない.そこで,SmFeをスパッタ法により非晶質化し結晶磁気異方性を除去することで,微小な応力で磁化が回転する負磁歪軟磁性材料の実現が可能である.
本稿では,保磁力・磁歪定数・磁化回転に着目し開発した負磁歪軟磁性材料の特性と,開発した負磁歪軟磁性材料の発電特性を評価し,バイモルフ型発電デバイスへの有効性を検討した結果を述べる.
ナノグラニュラー薄膜のトンネル伝導に基づくゲージ効果と理論考察
  • 小林伸聖長谷川唯早坂淳一早稲田嘉夫、内山智元、王誠、高橋三郎、増本博、前川禎通
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掲載日 2025年1月21日
雑誌名等 電気学会研究会資料(マグネティックス研究会)The Papers of Technical Meeting on "Magnetics"、IEEJapan・MAG-25-008、pp.31-34
概要 弊所で開発されたナノグラニュラー薄膜に関し、その変形に伴うゲージ効果を検討した。その結果、室温において、市販金属ひずみゲージの10倍以上の大きなゲージ率を示すことが明らかとなった。また、-50~100℃の実用温度範囲において、ゲージ率の温度変化は非常に少なく、新たなゲージ材料として有望である。さらにこれらの特性について、ナノグラニュラー構造におけるトンネル伝導のメカニズムから考察した。

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