Structure and Tunneling Magnetodielectric Effects of Cobalt–(Barium Fluoride) Lateral Nanogranular Films
掲載日 2024年5月17日
発表者 Hanae Kijima-Aoki, Katsuhiro Uchikoshi, Takamichi Miyazaki, Masato Ohnuma, Yoshiki Honda, Nobukiyo Kobayashi, Shigehiro Ohnuma and Hiroshi Masumoto
雑誌名等 Materials Transactions, Vol. 65, No. 5 (2024) pp. 576 to 582
https://doi.org/10.2320/matertrans.MT-M2023176
概要

ナノスケール電子デバイスにとって、スピン依存トンネリングによってそのコンダクタンスを制御することは重要な要素です。本論文では、扁平な形状を有する磁性金属ナノ粒子を含み、横方向に構造的な異方性を持つナノグラニュラー膜の作製を検討することによって、粒子間ギャップを任意に制御可能とすることを目指します。マトリックスを成す絶縁層の厚さを0.4nmから2.1nmに変えると、面内および面外の電気抵抗率が10,000倍に顕著に増加しました。さらに10 kOe の面内磁場下において、誘電率の増加が測定され、その値は4%でした。この様に、ナノグラニュラー構造に起因する磁気誘電効果が確認されました。最大の磁気誘電効果が見られる周波数は、面外抵抗率に応じて 15 kHz から 880 kHz にシフトします。これらの結果は、ナノグラニュラー構造における粒子の横方向構造的異方性を制御することによる磁気誘電効果の周波数制御が可能であることを示しています。