Effect of Ar-N2 sputtering gas on structure and tunneling magnetodielectric effect in Co-(Si-N) nanogranular films
掲載日 2023年11月14日
発表者 Tomoharu Uchiyama、Yang Cao、Hanae Kijima-Aoki、Kenji IkedaNobukiyo KobayashiShigehiro Ohnuma、Hiroshi Masumoto
雑誌名等 IEEE Transactions on Magnetics
https://doi.org/10.1109/TMAG.2023.3283530
概要

本研究では、Co-(Si-N)ナノグラニュラー膜のトンネル磁気誘電効果(TMD)に及ぼす、スパッタガス中のN2の影響を調査した。Co(Si-N)膜試料は、Si3N4とCoターゲット用いAr+N2混合ガス中で、N2ガス比率(x)の異なるガス中でスパッタリングすることにより作製した。得られたすべての薄膜試料は、Si-Nマトリックス中に直径1〜3nmのCoナノグラニュールが分散するナノグラニュラー構造を有する。x≧3.3%の膜はTMD効果を発現し、x=6.6%で作製した場合において磁場中で最も高い誘電率変化を示した。3.3%≦x≦10%の範囲では、TMDのピーク周波数はxの増加に伴い17MHzから40kHzに減少したが、これはナノグラニュラー構造におけるCoの粒子間距離(s)が増加したためと考えられる。一方、10%<x≦30%の場合、xの増加によりピーク周波数は40kHzから3.3MHzに増加したが、これはsの変化に伴いその分布であるβが減少したためと考えられる。本研究の結果は、TMD効果の周波数特性を調整する新しい方法を提供する。