イプシロンニアゼロ材料を用いた誘電率制御に起因した磁気光学効果
掲載日 2023年10月10日
発表者 池田賢司小林伸聖、Tianji Liu、太田泰友、岩本敏
雑誌名等 電気学会研究会資料(マグネティックス研究会)
概要

透明電極材料は、フリーキャリア吸収によって誘電率の実数成分が零となるENZ特性を示すことが知られている。本研究では、ITO薄膜を作製し、誘電率と磁気光学効果の解析を行った。その結果、赤外通信波長帯においてENZ特性を示すことを確認、ENZ特性付近の波長帯域では、Faraday回転角が確認された。ENZ特性は、磁気光学効果を増強させる効果があると考えられる。また、CoとITOからなるナノグラニュラー薄膜の解析を行った結果、赤外通信波長帯においてENZ特性を示し、Co組成に応じてENZ波長が変化することを確認した。ENZ特性近傍の波長帯域では、Faraday回転角の増加が確認された。ナノ磁性粒子の存在により誘電率の非対角成分が増加し、磁気光学効果が大きく増強されたものと推測できる。