イプシロンニアゼロ材料を用いた磁気光学薄膜
掲載日 2024年8月26日
発表者 池田賢司主任研究員小林伸聖研究主監、Tianji Liu、太田泰友、岩本敏
雑誌名等 電気学会研究会資料(マグネティックス研究会)The Papers of Technical Meeting on “Magnetics”, IEE Japan, MAG-24-056, pp. 37-42
概要

透明電極材料は、フリーキャリア吸収によって誘電率の実数成分が零となるENZ特性を赤外波長帯域に示すことが知られている。本研究では、ENZ材料としてITO薄膜の誘電率と磁気光学効果の解析を行い、赤外通信波長帯においてENZ特性を示すこと、ENZ特性付近の波長帯域でFaraday回転角が大きくなることを見出し、ENZ特性による磁気光学効果の増強を確認した。また、磁性金属とENZ材料からなるナノグラニュラー薄膜の解析を行った結果、赤外通信波長帯においてENZ特性を示し、磁性金属組成に応じてENZ波長が変化することを確認した。一方、ENZ材料とナノグラニュラー薄膜を交互に積層した複合多層薄膜では、ENZ特性と大きい磁気光学効果が両立することが観察され、ENZ効果による磁気光学効果の増強が大きくなることを確認した。

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