Enhanced orbital magnetic moment in an FeCo-BaF2 granular film revealed by x-ray magnetic circular dichroism
掲載日 2024年8月6日
発表者 Keita Ito, Nobukiyo Kobayashi, Kenji Ikeda, Takumi Ichimura, Mitsuhiro Matsuki, Takahide Kubota, Kenta Amemiya, Akio Kimura, Koki Takanashi
雑誌名等 Journal of Magnetism and Magnetic Materials, Volume 606, 15 September 2024, 172361,
https://doi.org/10.1016/j.jmmm.2024.172361
概要

FeCo-フッ化物系ナノグラニュラー膜は、光通信波長帯(1310~1550 nm)において、従来材料より数倍大きい巨大なファラデー効果を示し、次世代の磁気光学材料としての可能性を持つ。本論文では、タンデムスパッタ法を用いてガラス基板上に作製されたFeCo-BaF2グラニュラー膜に関し、ファラデー効果を測定したところ、波長1550 nmで2.3deg./μmという大きなファラデー回転角が観測された。この巨大ファラデー効果の起源を解明するために、軌道磁気モーメントと有効スピン磁気モーメントの比(morb/msepffin)をX線磁気円二色性(XMCD)測定により評価したところ、Feでは0.43、Coでは0.24となり、得られた値はFe-Coバルクサンプルの値より数倍大きいものであった。 また、XMCD 測定の元素選択性から、Fe は Co よりも morb/msepffin 値が大きいことが分かった。このmorb の増加は、ナノグラニュラー膜内の FeCoグラニュール と BaF2マトリックス の界面における対称性の低下によると考えられ、FeCo -フッ化物ナノグラニュラー膜の巨大ファラデー効果の原因であると考えられる。

原文のまま掲載しています。